泣き虫イミテーション
偽物の溶媒
不思議そうな顔をして、というかいぶかしんだ顔で桃花は二衣を見つめる。二衣はじっと自分を見つめてくる桃花の頭を撫でた。

「な、なにするんですかっ!」

桃花は勢いよく二衣の手を払った。カッと頬を赤く染め、眉間のしわが深くなる。二衣はニコニコとしながら少し乱れた桃花の髪を撫でる。
桃花は今度は手をはらわなかった。ただうつむいて小さく唸る。

「う〜〜……」

耳まで真っ赤で、直接的な接触に弱いのは兄譲りなのかと二衣はクスリと笑う。

「可愛いなあ、桃花ちゃん」

「バカにしてますか」

桃花は真っ赤なかおで強気に反発する。

「可愛いなぁ、妹ってこんな感じなんだね。うん、可愛い」

「可愛いって連呼しないで下さい!あと頭なでるのやめて」

「ねえ、桃花ちゃん。私も妹なんだよー。お姉ちゃんがいるの」

「だ、だからなんですか」

桃花ちゃんの抵抗が弱まったすきに後ろから抱きかかえるようにして座り直す。

「だからチーム妹だね」

「私は、妹だけど姉だからチーム妹じゃないですよ!!あなたとはちがいます。」

「え、一挙両得だね」

「一石二鳥なんですよ!」

「両方なんか意味違くないか」

「お兄ちゃん!」
「朔良くん」

「ひとつの行いで二つの利益を得ること。

「1桃花ちゃん2タイトルだよ

「橘さんうちの妹でなにしてんの」
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