泣き虫イミテーション
三人の会話が入り乱れて、混ざりあってしまう前に朔良は素早く二衣の口を塞いだ。

「橘さん、なんで俺んちにまたいるの?」

「ぷはっ、今日は妹ちゃんに招待されたんだよ」

「そう、でもその招待状は期限切れだからご退場ねがいますね。」

「冷たいね朔良くん」

「桃花に変なこと吹き込まれたらたまらないんだよ」

「やだな、悪いようにはしないよ。あることないこと吹き込むくらい。」

「そういうのをやめてってば」

言い争う二衣と朔良をみていた桃花に、二衣は笑いかける。そして頭にそっと手をおいた。

「ね、この程度の関係だから。安心してよ」

「……うーん?」

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