【好きだから別れて】
【第一章】
・こんな女だから
「別れろっていってんだろ!てめぇ耳聞こえねぇんか!」
「はあぁ!別れろだと!?お前何様のつもりなんだよ!ふざけんな!」
薄手のコートを羽織っても肌寒さを感じてしまう秋の夜。
ほろ酔い状態で仕事から帰宅したあたしは二人掛けの真っ白なソファーへ身を投げ、携帯片手に言い争いの喧嘩をしていた。
携帯の向こう側にいる相手。
それは、つき合って数週間たらずの“愛してないどうでもいい男”だった。
電波を通して荒々しい口調で罵倒しあう二人の間。
流れるのは険悪な空気だけ…
「うっせ知るか!!ってかマジうぜぇ男。終わりは終わりなんだっつうの!」
「勝手に決めんな!俺は歩と別れたくねんだ!なんでわかんねんだよ!」
負けたくない一心で大声を張り上げると、男も負けじと声を荒げ、怒鳴り付けてくる。
だが、あたしにとって男と喧嘩をするのは日常で、そんなもの痛くも痒くもない。
罵られるのだってなれてる…
苛つきを抑える為に吸っていたタバコを灰皿に押し付け「はぁ…」とため息をついた。
すると、男はまだ言い足りないのか話を続けた。
「つか、お前って最低な女だな!いつも冷めてるっつうか心がないっつうか…本気で好きになった事あんのかよ!?」
別れてきた男達が必ず口にする似たようなセリフだとも知らず、男は最後の切り札と言わんばかりに力強く言葉を投げつける。
正直聞き飽きたうんざりするセリフ。
コイツにも言われるんだとわかりきっていたけど、別れるたびに言われ続けるとさすがに嫌気がさす。
あたしはムキになり会話をしているこの現実がだんだんアホくさく感じ、呆れ顔で携帯を強く握った。
「はあぁ!別れろだと!?お前何様のつもりなんだよ!ふざけんな!」
薄手のコートを羽織っても肌寒さを感じてしまう秋の夜。
ほろ酔い状態で仕事から帰宅したあたしは二人掛けの真っ白なソファーへ身を投げ、携帯片手に言い争いの喧嘩をしていた。
携帯の向こう側にいる相手。
それは、つき合って数週間たらずの“愛してないどうでもいい男”だった。
電波を通して荒々しい口調で罵倒しあう二人の間。
流れるのは険悪な空気だけ…
「うっせ知るか!!ってかマジうぜぇ男。終わりは終わりなんだっつうの!」
「勝手に決めんな!俺は歩と別れたくねんだ!なんでわかんねんだよ!」
負けたくない一心で大声を張り上げると、男も負けじと声を荒げ、怒鳴り付けてくる。
だが、あたしにとって男と喧嘩をするのは日常で、そんなもの痛くも痒くもない。
罵られるのだってなれてる…
苛つきを抑える為に吸っていたタバコを灰皿に押し付け「はぁ…」とため息をついた。
すると、男はまだ言い足りないのか話を続けた。
「つか、お前って最低な女だな!いつも冷めてるっつうか心がないっつうか…本気で好きになった事あんのかよ!?」
別れてきた男達が必ず口にする似たようなセリフだとも知らず、男は最後の切り札と言わんばかりに力強く言葉を投げつける。
正直聞き飽きたうんざりするセリフ。
コイツにも言われるんだとわかりきっていたけど、別れるたびに言われ続けるとさすがに嫌気がさす。
あたしはムキになり会話をしているこの現実がだんだんアホくさく感じ、呆れ顔で携帯を強く握った。