【好きだから別れて】
「死ぬ!死ぬ!あぁああ!!」
泣き叫ぶあたしの元にいつも健診してくれる医者が白衣に袖を通し、ワタワタ走ってきた。
下半身側へ回り、即座に指を入れてきて子宮口の最終確認をする医者。
限界を通り越してる自分視点でいけば、ついでにそのまま赤ちゃんを中から引きづり出して欲しい。
「よし。これからが本番だからね!はい。息を吸ってぇ~吐いてぇ~吸ってぇ~吐いて」
「痛いのぉお!早く出して!」
「落ち着いて!とにかく言う通り吸って吐いて!」
「いってぇええ!!」
「落ち着いて!いいから吸って吐いて!!」
「すぅぅ~はぁぁ~すぅぅ~はぁぁ~あぁぁムリィィ!」
「はい!いきんで!」
「んっ!!」
ほぼ喧嘩でスタートした出産本番。
医者とはいえ妊婦に付き合わされてる医者は、よく何人もキレまくってる女を相手にするもんだ。
プロはやっぱり違うらしい。
人数をこなしてるだけあって「こんなもんだろ」って余裕の顔をしてる。
と言うか
冷静に考えたら、あたしは「息む」なんてした経験がない。
「息む」とはどこに力を入れるんだ?
息を止めて腹に力を入れればいいのだろうか。
あたしはわけもわからず腹に力を入れまくって「息む」が正解なのかを確かめた。
「う~ん。ダメだなぁあ。はい。波がくるまでヒッヒッフ~。ヒッヒッフ~ね」
「ヒッヒッフ~。ん?ヒッヒッフ~!?」
呼吸法と書いてあったヒッヒッフ~らしいが「息む」同様。
どこが吸うでどこが吐き所なんだ?
ヒッヒッは吸うのか?
吐くのか!?
「先生…あの。ヒッヒッフ~よくわかんない…」
「いっ!?」
「息むもわかんない!どうすんの!?どこに力いれるの!?」
医者の目には相当馬鹿な妊婦に映ったのであろう。
完全防備の真っ白な医者が硬直して股の間からこっちを見上げている。
泣き叫ぶあたしの元にいつも健診してくれる医者が白衣に袖を通し、ワタワタ走ってきた。
下半身側へ回り、即座に指を入れてきて子宮口の最終確認をする医者。
限界を通り越してる自分視点でいけば、ついでにそのまま赤ちゃんを中から引きづり出して欲しい。
「よし。これからが本番だからね!はい。息を吸ってぇ~吐いてぇ~吸ってぇ~吐いて」
「痛いのぉお!早く出して!」
「落ち着いて!とにかく言う通り吸って吐いて!」
「いってぇええ!!」
「落ち着いて!いいから吸って吐いて!!」
「すぅぅ~はぁぁ~すぅぅ~はぁぁ~あぁぁムリィィ!」
「はい!いきんで!」
「んっ!!」
ほぼ喧嘩でスタートした出産本番。
医者とはいえ妊婦に付き合わされてる医者は、よく何人もキレまくってる女を相手にするもんだ。
プロはやっぱり違うらしい。
人数をこなしてるだけあって「こんなもんだろ」って余裕の顔をしてる。
と言うか
冷静に考えたら、あたしは「息む」なんてした経験がない。
「息む」とはどこに力を入れるんだ?
息を止めて腹に力を入れればいいのだろうか。
あたしはわけもわからず腹に力を入れまくって「息む」が正解なのかを確かめた。
「う~ん。ダメだなぁあ。はい。波がくるまでヒッヒッフ~。ヒッヒッフ~ね」
「ヒッヒッフ~。ん?ヒッヒッフ~!?」
呼吸法と書いてあったヒッヒッフ~らしいが「息む」同様。
どこが吸うでどこが吐き所なんだ?
ヒッヒッは吸うのか?
吐くのか!?
「先生…あの。ヒッヒッフ~よくわかんない…」
「いっ!?」
「息むもわかんない!どうすんの!?どこに力いれるの!?」
医者の目には相当馬鹿な妊婦に映ったのであろう。
完全防備の真っ白な医者が硬直して股の間からこっちを見上げている。