take it easy
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 いつも眼鏡の奥の冷静な視線。

 同期の子たちも、古瀬さんは『恐い人』と言うけれど──…

「好きなんですっ!」

「今は、そういう事は聞いていない」

 氷の様に冷たい視線。

 古瀬さんの手には、私が朝一番に仕上げて渡した書類。

 そして私の手には、食べそびれていた朝ごはんのアンパン。

「確かに僕は〝何を持っているんだ〟と言う聞き方はしたが、〝就業時間に何をしている〟と言う意味なんだがな」

 ……あ。

「アンパンでーす」

「モノを聞いている訳でもない。サボってる暇があるなら、書類くらいしっかり作成するぐらいの姿勢を見せろ」

 バサリと置かれたのは、やっぱり私が朝一番に渡した書類。

「計算が間違っている。お前はこんな簡単な書類も上げられないのか」

「あ。いえ。電卓が壊れたんです」

 だから、パソコンの電卓を使って、一生懸命に計算したはずなんだけども……

「直しまーす」

「…………」

 ニッコリ書類を受け取ると、ガコンとデスクに置かれたのは……

「電卓?」

「壊れてなければやる。仕上げたら営業課に持って行け」

 そう言って、自分のデスクに戻っていく後ろ姿を見送った。






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