復讐

……この日までたくさんのことがおこったな…

両親と親友に裏切られてからたくさんの絶望を知った



人生のなかではじめての復讐という目標もできた



私はこの日をずっと願ってきたのに
なんでこんなに恐怖が襲ってくるんだろう?

理由はよくわかんない………

けど、不安が…………恐怖が私の中にある



そんな考えをしていると急に横に座っていた柊が

「明日香、大丈夫だ………」

と、私の片方の手をギュッとにきってくれた

柊の手のひらから伝わるぬくもりがわたしに安心を伝えてくれる……

「うん…
もう、大丈夫…ありがとう」

私がそう言いながら微笑むと同時に車が止まった

運転手の栄さんが

「明日香様、柊様
着きました」

と言う


もう、着いたんだ

思っていたよりも時間がたっていたらしく私たちはすぐに目的地に着いた




「明日香………」

心配そうに私を見る柊に少しだけ笑って見せ手の平で自分の顔を覆った

………これから私は尾崎組若頭の明日香になる

そして復讐者だ………


そう自分に言い聞かせそっと顔を覆っていた手をおろした


そして鞄から赤い口紅をだし口にひいた

準備が終わり柊の顔を見ると柊も組の顔になっていた

「行こう柊」

「あぁ」

私の言葉に柊がうなずき先に車から降りてドアを開けてくれた

それに促され私も車から降りた

< 127 / 321 >

この作品をシェア

pagetop