復讐

明日香が組長に挨拶を終えたときに
行くかと声を掛けるといつもの明日香に少し戻っていて

「うん、行く」

と言った

車に乗り込んだまま
ずっと黙っていた明日香が口を開いた


不安そうにする明日香に声を掛けると

「うん…
もう、大丈夫…」

微笑んだ明日香がとても儚く見えて俺の胸がズキッと傷んだ


もしかしたら明日香は復讐をやめたいんじゃないのか?
そんな疑問が生まれたがその疑問は口に出すことはなかった

あすかはこの日のために血の滲む努力をしてきた

俺が口出しすることじゃないと思って…………



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