復讐
「残るはここだけか………」
「ですね
じゃ、開けますよ」
私たちはひとつの部屋の前にいる
結構な数の部屋を一つずつ探したがいたのは組員ばかりで目的の大河はいなかった
もちろん、組員たちは全員柊が倒した
私は動くことなく、
柊が一人で組員を倒していき
私の出る幕はなかったのだ
そして残るひとつの部屋がここだ
柊がゆっくりと襖の取っ手をつかみ一気に開けた
「よくここまでたどり着けたな」
部屋の中には大河が一人立っている
その顔はよくわからない余裕が伺えた
「えぇ、柊がすべて倒してくれた
弱いな…ここの組は」
私は大河に少し挑発してみる
「はっ!
どうせ組員なんか捨てゴマなんだよっ!
全員倒したからっていい気になんなよっ!」
今、なんといった?
この男は………
「組員が捨てゴマだと?
組員とは自分の家族同然だろ?」
そう…
組員がいてこそ組は成り立つんだ
それを捨てゴマだといい、邪険に扱うとは……
「家族?笑わせるなっ
組員なんか俺の命を守るただの駒のひとつにすぎん
しかも、
俺を守らずに倒れただと…?
そんな奴らなんか存在する価値もないな」
どこまでも腐ってるな…
組員を大切にしない組なんかそれこそ存在する価値なんかないな………
「そうか…
私もわかった………
お前が組のトップになるべき人間じゃないとな」
私はそう断言した
若頭とはいずれ、その組のトップかそれに値する者になる地位に将来なる
だけど、大河はそれになる器ではなかった