復讐
「うーん
何を着よう?」
私がタンスの中を見ながら考えていると
「明日香~入るわよ」
とお母さんが入ってきた
「あ、お母さん
なに着てけばいいと思う?」
「着物を着てけばいいんじゃない?
あら、これなんていいんじゃない!」
お母さんがいいといったのは
淡い桜色の生地に蝶と花びらの刺繍が施された綺麗な着物だった
「うわぁ
凄くきれい!でも、私に似合うかな?」
と言うと
「もちろんよ!
明日香は何を着ても似合うと思うわ」
私に答えながらお母さんはかんざしや小物類を選んでいた
「お母さん
着物だけでいいんじゃないの?
外を案内してもらうだけなんだし……」
「ダメよ~
私、一回はやってみたかったのよ
自分の娘を綺麗にするのを!」
とても嬉しそうに話すお母さんに負けて私は言われるがままになってしまった
「よしっ!出来たわ
完璧よ!!」
「えっすごい
私じゃないみたい」
鏡を見た私はそう言葉を漏らしてしまった
「ふふっ
そうでしょ
明日香もとがいいもの」
と誉めてくれたお母さん……
でも、自分でも変わったと思う
綺麗な着物を着て
髪は綺麗にかんざしで結ってあって
毛先はすこし出ている髪型
刑務所であけていたピアスの穴に花のピアス
そして
軽くメイクもしてもらった
「ありがとうお母さん!
いってきます」
そうあった私は玄関に急いだ
だって、気づいたら30分位たっていたみたいて十さんを待たせていたのだ
「すいません柊さん
お待たせしました」
と柊さんに謝ると
「いえ、大丈夫ですよ
それにしても見違えました
着物…似合っていますね」
そんなことを言ってくれた
「ありがとうございます
お母さんの迫力に負けてしまって…
この格好になりました」
「さて、それじゃあいきますか
車がいいですか?それとも歩いていきますか」
と聞いてきたので
「せっかくですので歩きがいいです」
私が答えると
「わかりました
では、歩きでいきましょう」
そう言ってくれた