復讐

ガー

とドライヤーの音だけが聞こえるだけだった空間で普通なら気まずいはずなのに
なぜだか居心地がよくて
ホッとできた

「できたぞ」

と言う柊に
「ありがと」

私はお礼を言った


私の
長い髪がしっかりと乾いていて
さらさらしていた


「なんか自分で乾かしたときよりさらさらしてる」

と呟くと

「ちゃんと丁寧に乾かすことだな」

柊が得意そうに言った

「うー
何か悔しい」

「ほらっ
そんな顔してんなよ
これやるから」

そう言って柊がくれたのは
飴だった

「子供扱いしないでよ~」

私はそう言いながらも飴が好きだったのでコロッと機嫌が直ってしまった

「はいはい……単純だな」

とボソッと柊が言ったけど飴をもらって
ルンルンだった私は
聞かなかったことにしておいた

さっそくもらっ飴を食べるとイチゴ味だった
……好きな味…

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