復讐
運よく柊の部屋までは誰ともすれ違うこともなくて
この格好を見られることはなかった
……でも
柊が部屋についても
私を離してくれなくて、何故かベッドに座った柊の足の上に私は座らせられているという不思議なことが起こった
「柊
さっきはありがとう」
この体制が恥ずかしくてうつむきながらだったけど私は柊にお礼を言った
「いや、来るのが遅くなって悪かった…」
柊が私にそう言う
「ううん
全然遅くなかったよ
でも、何で柊わかったの?
私があそこにいることを」
疑問を柊に問いかける
「明日香が来るのが遅くなって迎えに行こうと思って部屋から出たら
明日香の声が聞こえたんだ」
「そうなんだ
でも、柊が来てくれて嬉しかった…」
この事は私の本心……
あの時、
柊じゃなくて他の人だったら私は絶対にこんなに落ち着いてはいられなかったと思うもん…
「明日香こそ大丈夫か?」
「うん!もう全然大丈夫っ!」
心配そうに聞く柊に私は笑って答えると
私の頭を優しく撫でてくれた
「そうか……」
「あのね柊……
私、
明後日にね……やっと復讐ができるの…」
唐突に話始める私を柊は
なにも言わず聞いてくれる
「でね、……
お父さんがね…あいつらが隣町にいることを調べてくれたの
なんか実感がわかないし、考えれば考えるほどあの日の記憶が思い出してきてね……
ここが縛られたみたいに…辛いの」