私の優しい人
今日のデートはパンが美味しいと評判の喫茶店で、噂のパンを食べるのが目的。
甘いデニッシュにかけるのはメープル。
一人で片付けるには大きすぎるそれを、2人で分け合うのがまたいいのだ。
テーブルに手帳とタブレットを広げる。
予定を突き詰めた結果、都合の付けやすい週末、彼の関東出張帰りにそのまま合流という事になってしまった。
3泊4日の研修からの帰りで疲れてしまうに違いないのに、それでも彼は楽しみだと言ってくれた。
チャンスは今までにも一杯あっただけに悔しい。
「もっと早く計画すれば良かった……」
「でも、里奈ちゃんのおかげで、楽しい週末になりそうだ。期待してる」
「期待されても何もできないよ。私」
「わかってるよ。里奈ちゃんは寝てるだけでいい。僕が頑張るから」
「何それ?!」
吸い込んだジュース、口から吹きそうになる。
口許を抑える私。
啓太さんは、まだからかうように笑っている。
「明るいうちから、そういう事言わないでくれる」
「里奈ちゃんがそう言わせるんだよ」
啓太さんは、たまそんな事を言い出す。
思った事を躊躇いなく言える人。
場所を選ばず、なのは気になるけど、私はこれに困ったり、困らなかったりして忙しい。
甘いデニッシュにかけるのはメープル。
一人で片付けるには大きすぎるそれを、2人で分け合うのがまたいいのだ。
テーブルに手帳とタブレットを広げる。
予定を突き詰めた結果、都合の付けやすい週末、彼の関東出張帰りにそのまま合流という事になってしまった。
3泊4日の研修からの帰りで疲れてしまうに違いないのに、それでも彼は楽しみだと言ってくれた。
チャンスは今までにも一杯あっただけに悔しい。
「もっと早く計画すれば良かった……」
「でも、里奈ちゃんのおかげで、楽しい週末になりそうだ。期待してる」
「期待されても何もできないよ。私」
「わかってるよ。里奈ちゃんは寝てるだけでいい。僕が頑張るから」
「何それ?!」
吸い込んだジュース、口から吹きそうになる。
口許を抑える私。
啓太さんは、まだからかうように笑っている。
「明るいうちから、そういう事言わないでくれる」
「里奈ちゃんがそう言わせるんだよ」
啓太さんは、たまそんな事を言い出す。
思った事を躊躇いなく言える人。
場所を選ばず、なのは気になるけど、私はこれに困ったり、困らなかったりして忙しい。