覚醒
まだ冷房をつけていない車内は暑い。
汗がでるほど気温は高い。



顔に沿って流れるものは
汗か涙か分からない。



「橋本、俺見てたんだ」


静かな空間で先生が話し始めた。



先生が私の何の行動を
見てたか知らない。



「久保を車に乗せた時
橋本がそれを見てたのを」



知っててそのまま行ったのが
私を不安にさせた。


「うん・・・」



徐々に冷房が効き寒い。
先生の顔をまともに見れない。



「俺は軽い気持ちで乗せてない。
知ってるよ。何回も俺のせいで
橋本が傷ついてる事」



本当に知ってたらそこまでしないよ。
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