覚醒
「軽々しく言うな。
ここまで育ててきたくせに
都合が悪くなったら逃げるのかよ!
だから飽きっぽい人は
会社から追い出されるんだよ!!」



離婚を望んでいたくせに
自分はお父さんにこんなことを言った。



またお父さんの血が騒ぐ!
どうしよう・・・!!



「最後だから思う存分言え」
お父さんは冷静になり、
私の言葉に反論しなかった。
思う存分と言われても、
言う気はしなかった。



お父さんとは、離婚届を出したら
他人になるんだし。



何も喋らず市役所で離婚届を
書いて、お父さんはどこかへ
行ってしまった。


入学式で桜が満開の中、
私たち家族は桜が散っていった。
肌寒い風の中で・・・・

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