覚醒
「古田、俺お前が・・・」


言いかけたところで古田が
俺の頭を軽くぺシッと叩いた。


もしかして俺は彼氏の対象ではない?
不安だ。せめて最後まで言わせてくれ。



「先生と生徒って関係持っちゃって
本当にいいの?」


古田はそれを気にしている。


「いいか分かんない。俺にも。
でも俺はお前が好き」


言った。届かなくてもいいから
せめて伝えたかったんだ。




言い切った安心の顔を持つ俺の目に
映ったのは、古田の迷いの顔だった。
やっぱりだめだよな・・・




諦めかけた時、古田の手が
俺の手に触れた。




「私も先生が好き。ずっと先生
だからって言い聞かせてた。
私だけが想っているのかもって思ってた。

でも先生の事、忘れられなかった。
私でよかったら付き合ってください」



古田と俺の心が通じ合った。
俺は迷わず「うん」と答えた。


こうして俺らは付き合うことになった。
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