覚醒
私は絵里さんと広松先生が再会する
場所にいないほうがいいと思い、

「行って来な」

と先生の背中を押した。


「おう!」

先生のこんなにも明るい笑顔を
見たのは、初めてだ。


絵里さんが先生の生きがいなんだと
思った。




私のほうまで顔がにやける。
はたから見れば首を傾げるほど。


まるで自分のことのように
幸せになった気分で階段を下り、
自習室へと戻った。
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