覚醒
「お前はそれでいいのかよ!?
愛している男がお前を愛していないん
だよ!?絵里はそんなんじゃねーだろ」



言っていることが矛盾していると
先生も絵里さんも思っているだろう。



それでも私はその場所へとは
自ら行こうとしなかった。



「俺は絵里を愛してる。でも過去を
引きずっている俺を絵里は愛してくれ
るなんて思えなかった」



「隼人、私は愛してる。会うまでに
ちょっと時間がかかってすれ違ってた
だけだよね…??絵里のこと嫌いに
なったりしてないよね??」


その時の絵里さんの表情は
哀しそうだった。



先生の中から私を消される。
絵里さんにとってそれは1番辛いこと
だった。

< 150 / 162 >

この作品をシェア

pagetop