覚醒
「薄々分かってたんだよね~。
先生、私が何を言っても
最近ボーっとしてたし。
こんなんだったら
想っておくだけで十分だった・・・」



何も言わなかった真紀が、
初めて言った言葉に何て返せばいいか
分からなかった。



私には先生という雲のような存在の人に
恋をした真紀の気持ちは、
その時までは分からなかった。



「付き合うとなると、どんどんその人が
離れていく感じがする。
独占欲が強くなっている証拠かもしれない。

想っておくだけの日々のほうが、
輝けると思うときもあると思う」



こんな私の意見は
冷たく感じたかもしれない。

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