覚醒
私は中学1年生の入学式と同時に、
田舎でもなく都会でもないこの町に
引っ越してきた。



お父さんは仕事の都合で、
よく転勤を繰り返していた。
転勤を経験したこと無い子に
よく言われる台詞。



「引っ越したら、たくさん友達
つくれるね!」



これは私にとって苦痛であった。
そしてまた「うん!そうなの」
とか言う自分に嫌気がさしていたと思う。



実際、転勤なんかしたくなかった。
それに友達と離れることも
気にくわなかった。



だから中学1年生の時、
私はずっと過去の友達ばかりを
引きずっていた。

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