覚醒
今私はずっとお母さんと
話している。その間をお父さんが
離したりはしない。


どこかでお父さんは
苛立っていると思う。
何度も煙草を吸うお父さんの顔は険しい。



それに私の友達事情なんか
気にしていない。


また私も苛立ちを抑えることが出来ない。
もう4月だというのに、
外はヒヤッとする風が吹く。


1度身震いして、私はお父さんを
軽蔑の目で見上げた。


「何?」お父さんの声のトーンが
低いのはもともとであるのに、
今日はとげがあった。
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