氷の歌姫
1
side.小狼
月の宮、弓張月棟、シェルノリアの訓練室前ーーー
そこには、もう何度目かも分からないシェルノリアの訓練時間違反を止めるべく、弓張月棟の巫女達が集結していた。
ドンドンッ
ドンドンドン
「シェルノリアーー!出てきなさい!身体を壊すわーーー!」
「先輩ーー!良いから出てきてくださいーーー!」
「おい、シェル!」
「訓練は昨日までですよー‼︎」
「ーー‼︎」
「ーーー‼︎」
「お菓子、食べちゃいますよ」
この状態に似合わない、のほほんとしたセリフに、そこに居る、皆が声の主を振り返った。
ニコニコしているのは、元凶のユミィだけ。
「あーあ。 それ、言っちゃう?」
「ーーーーええ? これNG? みんな言ってるじゃん」
「「「「「シェルノリアにはお菓子」」」」」」
(あの甘党ぶりはねぇ・・・)