【短】Blue-Sky-Blue
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困った。迷ってしまった。


フラフラと説明会に行き、終わったのはいいものの。

フラフラしていただけに道が分からない。


普通に帰れば良かったのだ。


校内見学ならいつでもできるだろうに、何を考えていたのか。

今更ながら自分の行動に呆れるばかりだ。


白いツルツルした床を歩くたび涙が出そうになる。

剣人。


自分がこんなに未練がましいなんて思わなかった。


「…あ」

階段を上ってくる人が見えた。


「すみませんっ」

スリッパの音が響く。


「え、俺?」

白いカッターシャツにグレーのカーディガンを着た男の人が振り返った。


先輩だ、と安堵しながらも駆け寄る。


「あ、の……出口って、」

声が湿り気を帯びていく。

ああ、なんで。


泣いたら先輩に迷惑がかかるのに。


「…出口は向こうだけど」


ぎょっとしたのか、目を見開いて指を差してくれた。


「ありがとうございますっ」

こんな顔、見られたくない。

慌ててお辞儀して駆け出そうとすると、


「ちょっと」


肩に手がかかった。



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