匿名希望さん、こんにちは。


「俺さ、前の彼女と出会ったの、カッパンダショップなんだ。」



いままで何も喋らなかった大浦君が、急に語りだした。



前の彼女、という言葉に、心臓が反応する。


「遠山さんとぶつかった時、あれ、彼女を忘れるために、彼女と来た場所一人で歩いてたんだ。」



「…そうなんだ…」



「でも俺さ、



今好きなやつにあったのも、カッパンダショップだった。」



「………大浦君、好きな人、いたんだ。」



ヤバい。なんで私今泣きそうなの…?



「おう。…でも、親友と同じ人好きになっちまったんだ。」



『親友の好きな人を好きになってしまいました。』


いつか、匿名希望さんからのそんな相談があったことを思い出す。


ああ、私、


『自分の気持ちに正直になった方がいいですよ!!』


とかアドバイスして、



…私、泣いたんだっけ。

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