匿名希望さん、こんにちは。
「…ごめん。俺は匿名希望じゃないんだ。」
「………え?」
ポカン…と私は硬直してしまう。
匿名希望さんは、葉山君じゃ、ない!?
「どういうこと!?」
「実は、たまたまおりひめのブログを見たんだ。
それで、匿名希望ってやつと楽しそうに話してて。
話の内容を遠山さんがよく俺に話してたから、おりひめが遠山さんだってすぐわかったよ。
遠山さんは恋がわからないっていってたから、俺が匿名希望だって言ったら、少しは考えてくれるかなって思っちゃったんだ。
試すようなことして、本当にごめん。」
葉山君は申し訳なさそうに頭を下げた。
「ううん!大丈夫!ビックリしたけど、
恋がなんなのか知れたのは葉山君のおかげだよ。」
そう言うと葉山君は優しく笑った。
「…これからも、友達でいてくれる?」
「もちろん!」
私も笑顔でうなずいた。