極上ドクターの甘い求愛
――私と岩崎先生の噂が広まってからというもの、
『咲坂さん、さっき頼んだ調剤、出来上がってる?』
「すみません。まだ調剤中で――、」
『咲坂さん、倉庫からコレ持ってきて。箱ごとでいいから。今すぐお願い。』
「あの、今私手が空いてなくて――」
『口動かすより、手動かしてくれない?咲坂さんが遅いから、全然業務が回らないじゃない。』
「ッ……すみません。」
容赦ない仕事の押しつけ。
元々自分の業務で手がいっぱいいっぱいだというのに、薬剤部の方々は私にこれでもかと仕事を回してくる。
「……田中さん、この調剤のチェック、お願いします。」
『はーい。』
「チェックが終わったら、村上さんに渡してください。」
『了解しましたー!』
ようやく押し付けられた膨大な量の調剤が終わって、私は急ぎ足で薬剤部の倉庫がある地下に向かった。
さっき、渡された薬品のリスト。
この量…一人で持てるの?箱ごとって、相当ありそうだな・・・。
リスト欄を見つめて苦い顔をしても、これは仕事なのだから仕方がない。家に帰ったら真っ先に半身浴をして身体の疲れを取ろうと思いながら、誰もいない倉庫の中で必要な薬品が入った段ボール箱をかき集めた。