極上ドクターの甘い求愛



これで明後日には、岩崎先生とデートなんて…本当に私大丈夫なのかな。やっぱり、断っておくべき?

いやでも、先生は私とデートする気満々だし…。

昨日の夜に岩崎先生から送られてきた、"11時に迎えに行くから、待っててね"という内容のメールを思い出して、頬の筋肉が引き攣った。

……理由もないのに断るのは、逆に岩崎先生に失礼だよね…。


「……ありがとうございました、先輩。おかげで助かりました…!」

『いーのいーの。助け合いは必要でしょ?じゃ、私は行くね。』


薬剤部の調剤室の入り口付近に段ボール箱を置いて、私は橋本さんの元へ行く。


「…橋本さん、倉庫から持ってきました。」

『あ、はーい。こっち置いといてくれる?後で使うからさー。』

「え、でも、」

『何?』

「……いえ、何でもないです。」


有無を言わせない橋本さんの笑顔に負けて、私は自分の仕事に向かう。

……今すぐにお願いって言ったくせに。あれは嘘だったの?

無駄な配慮をしてしまった、と心が重くなるのを感じながらも、仕事は私を待ってくれないと思い直し、ようやく自分の仕事に取り掛かったのだった。



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