極上ドクターの甘い求愛
……嘘、でしょ?
通話終了、と書かれた携帯画面を呆然と見つめる。
明日…私が、お見合い?この私が?
どうか夢であってほしい、と願うものの、頬を抓った時に感じた痛みでこれは現実だと思い知らされる。
「あ、岩崎先生…!」
ふと思い出した岩崎先生とのデートの件。
明日お見合いってことは、先生とのデートにはいけない。さっきのお母さんの様子じゃ、今更お見合いはナシなんてことは絶対に無理だろう。
震える指先で、明日は急遽用事が入ってしまって会えない、という内容のメールを打つと、岩崎先生宛に送信した。
「……っ、」
どうしよう。きっと先生、怒るよね…。
はぁー、と重苦しい溜め息をついていると、右手に持ったままだった携帯電話が震えた。
「えっ…――もしもし…!?」
『あ、繭ちゃん!?』
送信して1分も経たずに掛かってきた岩崎先生からの電話に驚いて通話ボタンを押すと、電話越しの先生は酷く驚いていた。