極上ドクターの甘い求愛
『どういうこと!?用事で会えないって…。』
「すみません、先生…。」
『いいから、用事って何?俺に話せること?』
これは――先生に話せることなのか?
いや、でも、岩崎先生に失礼なことしちゃったわけだし、ちゃんと理由は話しておくべきだよね?
「まぁ…。明日、お見合いすることになりまして…、」
『お見合い!?』
「……はい。先生、驚きすぎですよ…。」
え、あ?だって、お見合いって…あのお見合いだよな?なんて訳のわからないことを言っている岩崎先生の声が遠くに聞こえる。
私のお見合い話を聞いて驚いているようではあるけれど、どうやら私の突然のドタキャンに怒ってはいないようで、少しだけ安心した。
「母に明日用事が入ってるってちゃんと言ったんですけど…信じてもらえなくて。すみません。」
『え、あ…うん。まぁ、仕方ないかもね…。』
そっかぁ、それじゃあ明日のデートはナシか~、というなんとも悲しげな声が聞こえてくる。
う…。その声を聴きながら、私は先生に対する罪悪感を募らせていく。
今度……先生にお詫びしなきゃ。