極上ドクターの甘い求愛



――翌日。


『繭!まーゆ!もう9時よ!起きなさーいっ』

「ん~…」


5月の暖かな日差しが差し込んで気持ち良い安息の中、誰かに身体を揺さぶられる。

昨日夜更かししたんだからもうちょっと寝かせてよ…。


『繭!いい加減起きなさい!』

「ぃたっ!……お、母さん…ッ?」


背中を叩かれた痛みで目を覚ますと、私の顔を覗き込むお母さんの怒り顔が一番に飛び込んできた。

――え、なんで?

おはようというお母さんに、訳も分からずとりあえずおはようと返した。


『準備して待っててって言ったのに寝てるし。服は用意してるの?』

「え?」

『……もう忘れたの?昨日言ったでしょう。今日はお見合いだって。』


――あ。忘れてた。

図星の顔を隠せない私に、お母さんは呆れた溜め息をこぼす。

呼び鈴鳴らしても全然出てこないから勝手に合鍵使って入っちゃたわよ、と低い声で言うお母さんに、私はごめんと素直に謝った。


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