極上ドクターの甘い求愛
『それで?お洋服は?』
「え、あ……カジュアルなものしか持ってなくて、」
『じゃあこれ着なさい。』
寝ぼけ眼のままベッドから身体を出していると、お母さんから大きな紙袋を渡された。
「何これ?」
『お見合いのお話をいただいた時に買ったの。これだと失礼にはならないでしょう。』
「……そうかもしれないけど、ちょっと露出高すぎじゃない?」
紙袋から中身を取り出すと、それは淡いピンク色のフレアワンピースだった。なんともお嬢様みたいなお洋服。
私……もう25なんだけどな。こんな可愛らしい服着るの何年ぶりだろうか。
お母さんがわざわざ今日のために買ってきてくれたというワンピースを自分の体に当てながら、思わず渋い顔をしてしまう。
『大丈夫よ。その上にストール羽織ればいいんだから。その中に入ってるでしょ?』
「……これ?」
紙袋のなかには、肌触りの良い白のストールが入っていた。
それを差し出すと、それよとお母さんは頷く。
『着替えちゃいなさい。』
「うん。…それより、お父さんは?」
『お父さんは近くのコインパーキングに車を止めに行ってるわ。きっともうすぐ来るわよ。』
「そう。」
じゃあ着替えてくる、と言って、私はワンピースを手に脱衣所に向かった。