極上ドクターの甘い求愛
『俺は君みたいな地味な子は相手にしない主義なの。それなのにこんな席を無理矢理セッティングしてさ。……そんなに俺の金と結婚したいわけ?』
「え……っ?」
私みたいな地味な子は相手にしない?
お見合いを無理矢理セッティング?
三上さんのお金と結婚??
一気に私に降りかかってきた言葉たちは、意味不明なことばかりでろくな言葉を返せなかった。
――だけど、そんな中でも分かったことは、
三上さんは私のことを確実に侮辱している、ということだけだった。
『25にもなって恋人もできたことないなんて、有り得ないから。そんな重い女はいらない。面倒だし。』
「……っ」
さっきまで眼鏡の奥にあったはずの三上さんの柔らかな瞳が、冷徹なものへと変わっていく。
――重い、面倒。
…そんなこと、他人から言われなくたって分かってる。
『結婚はしないけど、――セフレなら、なってあげてもいいよ。』
「!?」
持っていたフォークとナイフを置いて、席を立った三上さんは、高そうな黒の革靴をコツコツと言わせて私の席までやってくる。