極上ドクターの甘い求愛
私は…先生のこと、そんな風に思っていないのに。
部外者だなんて、思っていないのに。
『強引に連れ出したりして、ごめんね。繭ちゃんの事情も考えずにあんなことして…大人げなかったよね。』
やっとこちらに振り返ってくれたと思ったら、私に向ける岩崎先生の笑顔はなんだか愁いを帯びていて。
手を伸ばせば届きそうな距離にいるのに、なぜだか先生がとても遠くにいるように感じられた。
まるで、先生が私から離れて行っちゃうような――…
『…送るよ。今日のことはもう――』
「何でですか?』
『っ?』
私と向き合うのを避けるかのように私の横を通り過ぎようとした先生を引き留める。
唇を噛みしめながら、私は立ち止まった岩崎先生を見上げた。
「どうして…そうやって私の気持ちを決めつけるんですか?」
『……!』
「私は、先生に謝罪されるようなことされたつもりありません!」
私の想いを正直にぶつけた瞬間、こちらを全く見ようとはしなかった先生が私を捕らえた。その瞳は、驚きで真ん丸になっている。