極上ドクターの甘い求愛
「え、あの…っ!?」
私を射貫くような先生の瞳と目があった瞬間に、私の身体が温かいものに包まれた。
突然に岩崎先生に抱きしめられて、私の身体はカチンコに固まってしまう。
お父さん以外の男性に抱きしめられた経験なんて皆無だから、何の抵抗もできずに目をパチパチと瞬きさせることしかできない。
「い、岩崎先生…っ?」
呼びかけてみても、岩崎先生は何も言わない。
けれど、私の腰に回された先生の腕の力は頑丈で、私の力じゃ離せそうにない。
岩崎先生の心音が、ドクンッドクンッと大きく伝わってくる。それに比例するように、私の心臓は物凄い速さで拍動を始めた。
『――ほんと、繭ちゃんには叶わないなぁ…。』
「……??」
岩崎先生の観念したような柔らかな声が、直接私の左耳に流れ込んでくる。
岩崎先生に力のままに抱きしめられて息苦しいはずなのに、このぬくもりを手放したくないと願う自分がいた。