極上ドクターの甘い求愛



「日野く――せ、瀬戸くんは、小学生の頃からの同級生、なんです。」

『!』

「でも、高校も別々だったし、中学の時もそんなに仲良かったわけではないんです。ただの顔見知り、というか…。実は、再会したのも瀬戸くんが院内に入院してきて、私が瀬戸くんの担当になったからで、会うのも10年ぶりくらいで。」


岩崎先生が、どうしてそんなに日野くんのことを気にかけているのかわからないけど、特別彼と何か訳ありな関係があるわけでもないし、と事実を伝える。


「さっきも、たまたま瀬戸くんと会ったから話していただけで、別にこれといって――」

『まっ、繭ちゃん!もういいよ、ごめんね。』

「・・・い、岩崎先生?」


突然私の話を遮った先生は、何か反省しているのか、またやらかした…最悪……。などと、すごく肩を落として落ち込んでいる。

これって、デジャヴ?木曜も、岩崎先生ってばここで私に謝ってたよね。


「…いきなりどうして瀬戸くんのことを聞くんですか?」

『え?あー…うん、ちょっと。』

「私、ちゃんと先生の質問に答えたんですから、先生も私の質問に答えてください。」


そう言った瞬間、岩崎先生はあからさまに整った眉を下げて困ったような苦笑いを浮かべた。



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