極上ドクターの甘い求愛
「え、っと……その、」
ヤキモチなんて、初めて焼かれた。
こんな時、どんな言葉をかけたらいいのだろう。
いつもヤキモチを焼く側だった私は、そんな時は不安が心を覆っていて。こっちを見てほしかった。この不満な心ごと抱きしめて、大丈夫だと言ってほしかった。
「…私にとって、瀬戸くんは…昔なじみ、くらいの人で、その……っ岩崎先生がそんな風に思わなくてもいいと言いますか…!」
『……ん。』
「だから、だ、大丈夫です。」
『クス…ッ、大丈夫って何が?』
「それは、…っその」
至近距離から見る岩崎先生の笑った顔に、また私の体温がぐぐっと上がっていく気がした。
何が大丈夫なのか、自分でもよく分からなかった。
ただ、先生がそんな風に思うことはないと、安心させたいという気持ちは心のどこかで思っていた。
『――いいよ、言わなくて。』
「……?」
『ありがと、繭ちゃん。』
「っ!」
まともに先生と目を合わせるなんてことはできなくて、モジモジとしていると、ふわりと岩崎先生に抱きしめられた。
トクンットクンッと先生の規則的な心音が耳に流れ込んできて、不覚にも心地いいと感じてしまう自分がいた。