極上ドクターの甘い求愛
極上男子VS同級生。
――『日野くんっ、いっしょに帰ろー!』
古びた小さな教室で、下校時刻とあって周りが騒がしい中、赤いランドセルをかるった幼い私が、男の子とは思えないほどに可愛らしい男の子に話しかけている。
『……ごめん、俺今日は咲坂とは帰らない。』
小学6年生で私より身長も小さい日野くんは、誘う私に一瞥もせずに黒のランドセルをかるった。
『え…っ?』
『――日野ー!帰ろうぜーっ!』
『おう!今行くー!』
『ちょっと日野くっ――…』
荷支度を整えた日野くんは、教室の入り口付近にいる男子たちに呼ばれると、颯爽と私の前を通り過ぎて行ってしまった。
いきなりどうして?
この時の私は、今まで仲が良かった日野くんが、いきなり私を避けるような振る舞いを見せたことに、戸惑いを隠せなかった。