極上ドクターの甘い求愛
……日野くん、一度もこっち見てくれなかったな…。
日野くんから断られた私は、一人で学校から家に帰ることになった。
『――…のかよ、あんなことしてー』
『・・・?』
小学校の校門を出て、細い河原道をトボトボと歩いていると、誰かを茶化すような男の子たちの声が聞こえた。
今のって…ウチのクラスの――
『いいんだよ!別に!』
『!』
真下に向いていた視線を、声がした方に向けると、河川敷に数人の男子が一人の男の子を囲っているのが見えた。
その真ん中で、いつもはそんな荒れた声を上げない日野くんが、大声で周りの男子たちに向かって怒りを露わにしている。
先に帰ったんじゃ…。そう思っていたけど、日野くんとクラスの男子たちは河川敷で寄り道をしていたようだ。
なんだか日野くんの様子が気になった私は、彼らの視界には入らない場所から、彼らを見守ることにした。
『何でだよー?お前、咲坂と付き合ってんだろー!?』
『っ!?』
クラスメイトの一人のその発言に、隠れて盗み聞きをしていた私はひどく驚いた。
日野くんと私が…付き合ってる!?なんでそんなことになってるの!?