極上ドクターの甘い求愛
「……っ!」
嫌々ながらも引っ張られて連れて来られたのは、薬剤部前の廊下。
「何するつもりですか?私ッ、先生に迷惑なことしたくなっ――」
『いいから、俺に任せて。』
「――…っ、」
私を送るために薬剤部に来たわけじゃないことは、先生から何も言われなくても分かっていた。
仕方ないよね?と言った時の岩崎先生の瞳は静かな怒りを孕んでた。そんな先生が、この最悪な状況をそのままにするわけ――ない。
ガチャッ
抵抗も空しく、薬剤部へと続く扉が岩崎先生の手によって開かれる。
逃げることは、掴まれたままの手首のせいで、許されなかった。
『岩崎先生…!』
岩崎先生が薬剤部に足を踏み入れた瞬間、中にいた職員の目が先生を捕らえてキラキラと光る。
その直後、先生の背後に佇んでいる私に気付いた職員達は、一瞬顔をしかませたものの、岩崎先生の前ということもあってすぐにその表情は笑顔に変わって行く。
『ど、どうなさったんですか…?』
室内の中で、最年長の職員が岩崎先生に話しかける。