極上ドクターの甘い求愛
男性の家にお邪魔しているということから来ているのか、それとも先生のお着換えシーンを一部見てしまったことから来ているのかわからないこのドキドキを抱えつつやってきたキッチン。
とりあえず広いキッチン台に持っていた食材を置いた私は、調味料チェックのために大きな冷蔵庫を開けてみた。
「・・・。」
中を見てみれば、缶ビールが軽く10本と、前にここで肉じゃがとお弁当を作った時に買った醤油やお砂糖、塩くらいしか入ってなかった。
その調味料も前回私が使用して以降、使われた形跡が全くない。醤油の嵩(かさ)、減ってないし。
また外食かお惣菜ばっかり食べてたんだろうなぁと想像して、ちょっぴり先生の身体が心配になった。
相変わらずビール保冷のためにしか使用されていない冷蔵庫の扉を閉じた私は手洗いを済ませて、料理の手始めとして米研ぎに手をつける。
――先生の偏った栄養を少しでも健全なものに変えないと、先生の身が持たなさそうだな…。
今度、本屋にでも行って栄養管理を基にした料理本でも買ってみようかな、そんなことを考えつつ、夕食づくりに没頭した私だった。