極上ドクターの甘い求愛
『繭ちゃんー。俺風呂入ってきたいんだけど…いい?何か手伝うことでもある?』
炊飯ジャーの開始ボタンを押した直後、キッチンへとやってきた岩崎先生は私の元にやってくるなりそう言った。
さっきのスーツ姿から、Tシャツにスウェット姿に着替えても、格好よく見えるなんて…私の視力は岩崎先生限定で加工修正されているのだろうか。
先生のラフな格好に少し見惚れていると、繭ちゃん?と至近距離で岩崎先生が私の顔を覗き込んできたものだから、一瞬心臓が口から出そうになってしまった。
「いっ、いえ…!どうぞ、私に構わずゆっくりなさっててください…!」
『そう?じゃあ、お言葉に甘えて入ってくるね。』
至近距離のまま、ニコッと輝かしい笑顔を向けた先生は颯爽とキッチンから出て行ってしまった。
……何でこんなドキドキしてるの?私…。
ダメだ、先生の一挙一動に反応しすぎて、もう心臓が持たない。っていうか、岩崎先生って元々からあんなに格好良い人だった?
――頬に集まった熱が、高ぶったまま鎮まらない。
私、
想像以上に
岩崎先生にハマっているのかもしれません。
ひとり残されたキッチンで、顔をリンゴみたいに真っ赤に染めながら、そんなことを思ってしまった。