極上ドクターの甘い求愛
先生の言葉に胸いっぱいで、到底ご飯が喉に通りそうにない。
『繭ちゃん、おかわり。』
「……まだ食べるんですか?」
『え、もうないの?』
そんなに私が作ったお味噌汁が美味しいのか、これでお味噌汁のおかわり3回目。
空っぽになったお汁茶碗を差し出されて、おずおずとそれを受け取った。
「いえ、ありますけど…ちょっと待っててくださいね。」
ゆっくりと席を立った私は、キッチンに向かってお味噌汁を作った鍋の蓋を開けた。
お玉で3杯程お味噌汁を掬って、それが満タンに入ったお汁茶碗を持ってダイニングに戻ると、ニコニコと楽しげな笑顔を浮かべる岩崎先生と目が合った。
「…ど、どうかなさいました?」
何がそんなに楽しいのかよく分からなくて、先生にお汁茶碗を差し出しながらそう問いかける。
…なんか、大きな子どもみたい。
目の前の岩崎先生を見て、そんなことを思ってしまった。
『――いや、繭ちゃんが俺の奥さんになったらこんな感じなのかなーって。』
「なっ……!?」
先生は、子どもなんてそんな可愛いものじゃないことを、この時先生の爆弾発言によってようやく思い知らされる。