極上ドクターの甘い求愛
「も、もう…!からかわないでくださいっ」
動揺を隠しきれず目を泳がせながら、カタンと音を立てて先生の前の席に座った。
これ以上まともに先生の話を聞いたら危険だ、と自分に言い聞かせて。
『酷いなぁ。俺はいつでも本気なのに。』
「……っ」
『繭ちゃん。俺の本気ナメてたら…いつかとんでもないことになっちゃうよ?』
妖し気に光る眼光が、私を捕らえる。
その瞬間、私の心臓はあまりにも正直にドクリと大きな音を立てた。
決して、先生の本気をナメているわけじゃない。…知った後が、怖いだけだ。
もうすでに、先生の甘美な毒牙にかかっている自分がいるのに、これ以上なんて……耐えられないに決まってる。
「ご、ご飯中ですよ!喋ってないで食べてください!」
『もう食べ終わったよ。ご馳走様。』
あー、美味しかったー!と満足そうな笑みを浮かべている岩崎先生に驚いて、その目の前に並んでいる食器を見ると、ご丁寧なまでに空っぽだった。
男の人の食べるスピードは女性の比じゃないって、本当だったんだ。
また新たな発見を見つけた。