極上ドクターの甘い求愛
前田先輩は仕事もできて優秀でサバサバしてて面倒見がよくて、薬剤部の先輩方の中で一番親しくさせてもらっているのだけど…、私をよく弄るという欠点がある。私の反応を見て楽しむ、といいますか。
『今日は岩崎先生、一度も薬剤部に来なかったもんねー。寂しいとか思っちゃった?』
「なっ…、ち、違いますよ!」
ニヤニヤ顔でなんとも見当違いなことを言い出す先輩に、顔を真っ赤にして否定するがあまり効果はなかった。
動揺が激しくて、着替える手が覚束ない。
寂しいなんて――…、思ってない。思うわけないじゃん。…いつも先生のことウザいって思ってるくらいなのにさ。
『じゃ何で溜め息なんかついてたのよ?』
「あれは――…、この前岩崎先生に良くしていただいたのでそのお礼をしようとしたんですけど、その…近づけなくて。」
『え?』
「ほらっ、いつも岩崎先生の周りにはナースさん達がいらっしゃるじゃないですか…!」
前田先輩には隠し事ができない私が本当のことを話すと、先輩はそーゆうことかとやっと納得してくれたみたいだった。