極上ドクターの甘い求愛
『来週あたりは行けるよ。ちょうど旦那が研修で仙台に行くからさー。』
「えっ、そうなんですか?行きましょ、行きましょ!」
久しぶりの前田先輩とご飯。嬉しくないわけがない。
絶対行きましょうね、としつこい私に前田先輩は分かった分かったと了承してくれた。
『岩崎先生の前でもそんな風にニコニコしてればいいのに。』
「え?」
岩崎先生のことなんか忘れて、気分上々に私服に着替えていると、隣の前田先輩はふとそんなことを言いだした。
ニコニコ…って?
『岩崎先生の前ではあんまり笑わないよね、咲坂ちゃん。いっつもこんな風にブスッとしててさ。』
「…え、そんなブサイクな顔してますか?」
岩崎先生を前にした私の顔を再現しているのか、ぶーたれた顔をする前田先輩を見てちょっと落ち込む。
心と表情って、やっぱり連動しちゃうよね。
してるしてる!と言う前田先輩はすごく楽しそうに笑っている。
「…あーいったタイプ、苦手なんです。」
『あーいったって…チャラチャラした感じってこと?』
「はい。元々男の人に免疫がないんで、戸惑ってます。私なんかに構ってくる岩崎先生にどんな顔して接すればいいのか分からないんです。」
今まで私が仲良くなったことのある男子のタイプはいつも地味系だった。