極上ドクターの甘い求愛
「これ、先日のお礼です。」
『えっ…!?』
元々サイズの小さな紙袋は、先生の手に渡った瞬間、更に小さく感じられた。
岩崎先生がパステルカラーの紙袋持ってるって…意外と可愛いかも。
「生キャラメルです。お口に合うか分かりませんが、よろしければどうぞ。」
『…っ、もしかして、これ繭ちゃんが作ったの?』
「?はい。」
市販のだったら先週にでも渡してたわ。
市販のキャラメルだと先生の身体に悪いかなと思って、非番だった昨日時間をかけて作ったんだ。
先生がココアが好きで、ブラックコーヒーにはシュガースティックを4本は入れるほど甘党だと知っていたから軽口サイズの生キャラメルにした。
繭ちゃん特製の生キャラメルか…。と渡した紙袋を見つめながら神妙に呟く先生に首を傾げる。…何でそんなに固まってるの?
「…もしかして、キャラメル嫌いでしたか?」
『ううん!好き!大好物だから!』
「そう、ですか。じゃあ、私帰りますね。」
今日一日の心のしこりが取れて大満足だった。ホッとして緊張して力んでいた身体からスゥッと力が抜けていって、頬の筋肉も緩む。