極上ドクターの甘い求愛
繭ちゃんは他の女の子とは違う、という俺の予感は的中した。
毎日繭ちゃんの元に駆け寄る健気な俺に対する繭ちゃんの態度はそれはそれは冷たくて。
こんなに好きなのに、全く相手にしてくれないという虚しさを初めて体感した。
『ふぁあ…っ』
最後のオーダーであるアイスを待っている横で、繭ちゃんが盛大なあくびをもらした。
「眠いの?」
『んー…。』
酔った繭ちゃんの潤んだ瞳はとろんとしていて、今にも心地よい夢に旅立ちそうなほどウトウトしていた。
本当に可愛いなぁー。
何をしていても可愛い繭ちゃんの肩を軽く叩いてみるけど、うーんと唸るだけで起きる素振りは見せない。
「もうすぐアイス来るよ。あれ食べたら帰っていいから、今は寝ない――」
『おやすみなさい。』
「えっ――!?」
ボスっと俺に全体重をかけて身体を寄せた繭ちゃんを受け止めた俺は、ビシリ、と固まってしまった。
そんな俺に対して、繭ちゃんは規則正しい寝息を立ててすやすやと眠っている。
遠くでナース達がギャアギャア騒いでいたのが聞こえていたけど、今の俺はそんなことには構ってられない。