極上ドクターの甘い求愛




どれくらい時間が経ったのか分からないけれど、徐々に精神の落ち着きを取り戻した私は、首を捻って周りを見渡してみた。

ここ……どこ?

見たこともない部屋のベッドで、私は先生と添い寝をしている。

……何でこうなった?

取り敢えずベッドから抜け出そう、と身体を起こそうとすると、ガッチリと私の腰に回された頑丈な腕の存在に気付く。……え、何で私、先生に抱きしめられてるの?

今の状況全てに驚きを隠し切れないけれど、とにかくここから脱出したい気持ちの方が強かった。

先生の睡眠の邪魔だけはしないようにそろーっとそれはもう丁寧に筋肉質な腕を身体から引っぺがそうと試みるも、全く動じない。……男の人と女の人の力の差は大きいって本当だったんだ、と初めて知る。


『ん…。』

「っ」


やばい、起こした!?

隣から漏れた妙に色気全開の声にドキリとして、先生に目を向けるけど、瞼は閉ざされたまま。

よし、もう一度――と思っていた瞬間、寝返りをうった先生の身体が私の方へと倒れこんでくる。


「ちょ…っ!?」


声を出したらいけないと分かっているけれども零してしまった声を抑えている間に、先生の大きな身体の左半分が私の身体の上に乗っかってしまった。

さらに密着したこの状況に、落ち着きを取り戻したはずの私のチキンな心臓はドキドキと絶え間なく大音量で脈打ち始める。



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