極上ドクターの甘い求愛
『そうみたいって…どうゆうこと!?』
「まっ、前田先輩!あまり大きな声ではっ…」
『あ、ゴメン。』
人が少ないとはいえ、私たちに突き刺さる視線は氷点下並に冷たかった。
声のボリュームを指摘された前田先輩は、口を押えながら話の続きを催促した。
「…私、酔いつぶれて寝ちゃったので記憶ないんです。だから、岩崎先生がどうして私を送ることになったのか分からなくて…。」
『あー…そういうことか…。』
まるでこれで辻褄が合った、とでも言いたそうな前田先輩に対して、首をかしげる。
「先輩…何か知ってるんですか?」
『まぁねー。昨日から、院内の話は咲坂ちゃんと岩崎先生のことで持ちきりだからね~。』
「えっ……!?ど、どうゆうことですか!?」
まさか、また良からぬことでも言われてるんじゃ――そう思ってしまって、一瞬冷静さを欠いてしまった私。
遠くにいた薬剤部長にだいぶ大きめの咳払いをされて、我に返った私は、小さな声で前田先輩に事の真意を聞いた。