極上ドクターの甘い求愛



「…じゃあ、そのこともきっと今日中には知れ渡っちゃうってことですよね…。」

『まぁ…歓迎会の話も瞬く間に広まっちゃったわけだしね…。』


あー迂闊だった。

何であの時、スーパーで頑なに拒否できなかったのか。あまりにも押しが弱すぎる自分が嫌になる。

今すぐにタイムスリップして、昨日の自分にお弁当を作ったらどんな恐怖が待ち受けているのか教えてあげたいと思った。こうなることを知っていたら、先生にお弁当なんて作らなかった――はずだ。


『まぁ、大丈夫でしょ。』

「何が大丈夫なんですかー…!」


また心もとないことばっかり言ってー・・・。

あははと空笑いをする前田先輩をちょっと睨む。


『岩崎先生が守ってくれるって!』

「いや、それ絶対無理ですよね。岩崎先生ファン、一体何人いると思ってるんですか?それに、素直に岩崎先生に守られていたりなんてしたら、それこそ更にファンからの風当たりが増しますよ。」

『あー、確かに。』


あー、確かに。じゃないですよ、全く。他人事みたいに言ってくれちゃって。……いや、実際、前田先輩にとっては他人事なんだけども。



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