労苦
第1章
1
フロア内は慌ただしい。
常にパソコンのキータッチ音が鳴り響き、電話応対の声が聞こえ、ファックスやプリンターなどが作動している。
ここは警視庁捜査一課だ。
俺も相方で警部補の橋村と一緒に、捜査に参加することがある。
「梶間(かじま)さん」
「何?」
「今朝方、新宿区の裏手の道路沿いで男性の変死体が見つかったらしいですよ」
「そう?……橋村君、君はまだ現場を見てないよね?」
「ええ。……梶間さん、もしかして見にいくんですか?」
「そうしないといけないよね」
そう言って、ワイシャツの上から黒っぽいスーツを羽織り、一課のフロアを出ようとする。
フロア内は慌ただしい。
常にパソコンのキータッチ音が鳴り響き、電話応対の声が聞こえ、ファックスやプリンターなどが作動している。
ここは警視庁捜査一課だ。
俺も相方で警部補の橋村と一緒に、捜査に参加することがある。
「梶間(かじま)さん」
「何?」
「今朝方、新宿区の裏手の道路沿いで男性の変死体が見つかったらしいですよ」
「そう?……橋村君、君はまだ現場を見てないよね?」
「ええ。……梶間さん、もしかして見にいくんですか?」
「そうしないといけないよね」
そう言って、ワイシャツの上から黒っぽいスーツを羽織り、一課のフロアを出ようとする。